40坪の建て替え費用は?土地ありの相場
「家を建て替えたいけれど、費用がどのくらいかかるのか分からなくて不安…」
「土地はあるけど、40坪の建て替えって相場はいくらくらいなんだろう?」
そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
建て替えを検討するとき、まず気になるのが「費用感」です。特に40坪という広さは、家族4人〜5人で快適に暮らせるサイズ感でありながら、住宅会社や仕様によって費用の差が出やすいボリュームゾーンでもあります。
この記事では、土地をすでにお持ちの方に向けて、40坪の建て替え費用の相場や間取りのイメージなどを分かりやすく解説します。
さらに、費用を抑えるためのコツや実際の建て替え事例もあわせてご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
40坪の建て替えにかかる費用は?
■ 国土交通省の調査データで見る建て替え費用の実態
国土交通省 住宅局「令和5年度 住宅市場動向調査 報告書」によると、
建て替え世帯における平均建設費用は全国で4,319万円、三大都市圏に限ると4,943万円という結果が出ています。
また、同調査によれば、建て替え時の延べ床面積は全国平均で136.3㎡(約41坪)です。
このデータをもとに1坪あたりの建設費を算出すると、以下の通りとなります。
5,745万円 ÷ 41坪 ≒ 約140.1万円/坪
この坪単価をもとに、40坪の建て替え費用を算出すると…
約140.1万円 × 40坪 ≒ 約5,604万円
つまり、土地をすでに所有している場合、40坪の建て替え費用はおよそ5,600万円前後が目安となります。
平屋にすると逆に費用がかかる可能性がある
平屋は2階建てに比べて基礎や屋根の面積が広くなるため、同じ延床面積でも建築費用が高くなる可能性があります。たとえば延床40坪の場合、2階建てなら20坪×2階で済みますが、平屋では40坪すべてを1階で確保する必要があり、基礎や屋根の施工面積が増える分、コストも上がりやすくなります。
また、建物の占有面積が広くなるため、建ぺい率や隣地との距離に配慮が必要です。土地に余裕がないと、希望通りの間取りが実現できない場合もあります。
どこで差がつく?費用が上下する要因
費用に差が出るポイントは主に以下の3つです。
- 建築会社の種類(ハウスメーカー or 工務店)
大手ハウスメーカーは設備や保証が充実している分、坪単価が高くなる傾向があります。一方、地域密着型の工務店は柔軟な対応と比較的リーズナブルな価格が魅力です。 - 仕様・設備グレード
キッチン・お風呂・外壁材などの仕様によって100万~300万円ほど違いが出ることもあります。 - 付帯工事の内容
解体工事や外構工事、地盤改良が必要かどうかによって、数十万円単位の差が生じます。
建て替え費用の内訳は?知っておきたい主要項目
建て替え費用は大きく分けて、「建物本体工事費」「付帯工事費」「解体費用」「諸経費」の4つで構成されています。中でもイメージしやすいのは建物本体の工事費ですが、実際には解体費用や仮住まいの家賃、引っ越し代など、さまざまな費用が発生します。
建物本体工事費

建築費用とは、新しい家そのものを建てるためにかかる工事費用のことを指します。
この費用は以下の要素によって金額が変動します。
- 家の大きさ
- 家の構造(木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造など)
- 使用する外壁や屋根の素材
- キッチン、トイレ、浴室などの生活設備のグレード
- 建築会社
付帯工事費用

付帯工事費用とは、建物の完成に必要な工事や設備のことを指します。具体的には、以下のような項目が含まれます。これらの費用は、家を完成させて住める状態にするために必要な工事です。
- 外構工事費用
駐車場・カーポート・フェンスの設置、庭や植栽の整備、照明や防犯設備の整備などの工事費用
- 地盤改良費用(必要な場合)
家を建てる前に地盤調査を行い、その調査に応じて地盤の改良を行う事が必要な場合があります。
- 給排水工事費用
水道やお湯の供給、キッチンや浴室などで使用する配管の設置費用
- ガス・電気工事費用
ガスや電気の配線・配管工事、設備の設置費用
解体費用

解体費用とは、家を壊すためにかかる費用のことを指します。新しい家を建てるためには、まずは既存の家を解体する必要があります。家の大きさ、立地条件、残置物やアスベストの有無によって費用が異なります。
おおよその相場は構造ごとに以下のように考えることができます。
- 木造住宅の解体費用の坪単価:31,000円〜44,000円/坪
- 鉄骨造住宅の解体費用の坪単価:34,000円〜47,000円/坪
- 鉄筋コンクリート造住宅の解体費用の坪単価:35,000円〜80,000円/坪
また、家の大きさ以外にも「立地」「アスベスト」「残置物(家の中にある家電製品や生活用品)の量」などによって、解体費用が変わっていきます。
諸費用

諸経費とは、工事以外でかかる費用のことを指します。具体的には、以下のような項目が含まれます。
・登録免許税
登録免許税とは、土地や建物の所有権を登記する際にかかる税金です。建て替えを行う場合、主に2つのケースで発生します。
- 所有権保存登記
所有権を登記していない不動産について、最初に所有権を登記簿に記録すること。
税率:固定資産税評価額×0.4%(軽減税率の場合0.15%、長期優良住宅・低炭素住宅の場合0.1%)
- 抵当権設定登記
住宅ローンを組んだ際に、担保が必要になります。建て替えするときは、その土地や建物が担保となり、抵当権がつけられます。その際に行われるのが抵当権の設定です。
税率:住宅ローンの借入額×0.4%(軽減税率の場合0.1%)
- 印紙税
契約書を交わす際に収める税金です。主に建て替えの請負契約書、土地を購入する際は土地の売買契約書に印紙税がかかります。
- 不動産取得税
土地や建物などの不動産を取得した際に、一度限り課される地方税
- 火災保険、地震保険料
家にかける保険の内容によって、保険料の支払いがあります
- 引っ越し、仮住まいの費用
現在住んでいる家を建て替える場合、新しい家が完成するまで、仮住まいで暮らす必要があります。仮住まいの家賃や引っ越し代などかかります
- 住宅ローン手続き費用
フラット35や金融機関などで住宅ローンを借りる際は、事務手数料や印紙税など様々な費用が必要となります。各機関により、必要な書類や金額が変わりますので、金融機関に確認しましょう。
40坪の間取りイメージと家族構成の例
延床面積40坪(約132㎡)は、都市部でも比較的確保しやすい広さでありながら、家族4人が快適に暮らせる十分なスペースがあります。40坪の住宅は、1階と2階でそれぞれ約20坪ずつのスペースを確保でき、生活動線を考えた効率的な間取り設計がしやすいのが特徴です。
家族構成に合わせて、次のような間取りプランが考えられます。
家族構成 | 間取り例 | 特徴 |
---|---|---|
夫婦+子ども2人 | 4LDK+ファミリークローク | 子ども部屋を確保しつつ、収納や水回りもコンパクトに配置 |
夫婦+親世帯 | 3LDK+和室+バリアフリー浴室 | 和室を親世帯の寝室にし、浴室はバリアフリー対応 |
夫婦のみ | 2LDK+書斎+納戸 | リビングを広めに取り、ワークスペースや収納も充実 |
また、将来の使い方を見据えて、1階に主寝室を配置するなど、ライフステージに応じた空間設計ができるのも40坪住宅の強みです。
都市部では限られた敷地にコンパクトな2階建てを建て、郊外ではゆとりのある庭や駐車スペースを確保する設計が人気です。
暮らしの幅を広げる「生活動線の工夫」
40坪の住まいは限られたスペースの中で、動線の工夫が暮らしの快適性を大きく左右します。
以下のようなポイントを押さえることで、家事効率や家族のコミュニケーションを高める設計が可能になります。
- キッチンから洗面・浴室へのスムーズな動線
- 玄関近くのファミリークロークで外出・帰宅動作を最適化
- LDKの中央に階段を設け、上下階のつながりを持たせる
- 2階ホールにワークスペースやスタディコーナーを設置
40坪は「広すぎず狭すぎない」絶妙なサイズ感だからこそ、動線設計と収納配置の工夫が暮らしやすさのカギとなります。
都市部・郊外で異なる設計のポイント
40坪の住宅といっても、建築場所によって活かし方は変わってきます。
■ 都市部で建てる場合
- 敷地の制限があるため、縦空間を活かした設計が有効
- 駐車場や庭スペースの確保に工夫が必要
- プライバシー確保のため、2階リビングも選択肢に
■ 郊外で建てる場合
- 平面の余裕を活かし、1階中心の生活設計も可能
- 駐車場2台分やウッドデッキなどの屋外空間も取り入れやすい
- 家全体の断熱性・気密性を高め、ランニングコストを抑える工夫も
住まいの立地に合わせて、限られた延床面積の中でも快適性を最大化する設計を目指しましょう。
建て替え費用を抑えるコツ
建て替え費用の中でも特に大きな割合を占めるのが、「建築費用」と「解体費用」です。
この2つのコストをどう抑えるかが、建て替え全体の予算を左右します。
ここでは、それぞれの費用を抑えるための具体的なコツをご紹介します。
建築費用を抑えるコツ
複数のハウスメーカー・工務店で相見積りを取る
同じ坪数・設備でも、施工会社によって価格差が出ます。希望条件を伝えた上で、複数社から見積もりを取り比較することが第一歩です。
セミオーダー住宅や規格住宅を検討する
完全注文住宅よりも、「セミオーダー住宅」や「規格住宅」を選ぶことで、設計や仕様の標準化により本体工事費を抑えることが可能です。
住宅タイプ | 特徴 | 建築費目安(40坪の場合) |
---|---|---|
ローコスト住宅 | 建材や仕様を標準化し、コストを削減。工期も短め | 約2,800万〜3,200万円 |
規格住宅 | 間取り・仕様が固定化されており打合せ負担も少ない | 約3,000万〜3,400万円 |
価格を抑えたい方には人気ですが、「必要な設備が揃っているか」「将来の間取り変更は可能か」といった長期視点での確認も重要です。
建て替えに活用できる補助制度を利用する
自治体によっては、建て替えに関連する補助金や優遇制度が設けられている場合があります。ここでは、建て替えを行う際に利用できる主な補助金や優遇制度についていくつかご紹介します。
- 住宅ローン控除(減税)
住宅ローン減税は、住宅を購入したり建て替えたりした際に、一定の条件を満たすとおさめた税金の一部が戻る制度です。
住宅ローン控除をはじめて受ける場合は、住宅の区分に応じた提出書類を添付して確定申告をする必要があります。
引用:国税庁 住宅ローン控除を受ける方へ
- 長期優良住宅認定制度
長期優良住宅認定を受けることで、建物の耐久性やエネルギー効率が高いと認められ、税制上の優遇措置や補助金が受けられます。建て替えを行う場合に、これを活用することで、減税や住宅ローンの金利優遇を受けることができます。また、長期優良住宅に認定されると、耐震性や省エネルギー性能が確保されるため、将来的な修繕費用や光熱費の節約にも繋がります。
新築、増築、分譲マンションなどの種類によって適用される制度が異なります。
詳しく知りたい方は下記のURLをチェックしてみましょう。
- 省エネ住宅補助金
建て替えを行う際に、環境に配慮した省エネ住宅を建てる場合、一定の条件を満たすことで省エネ住宅に対する補助金が支給されることがあります。省エネ住宅、またはエコ住宅とは、一般的に家の断熱性や気密性を高めることで、冷暖房機器の使用エネルギーを抑えることができる住宅のことを指します。このような住宅は、エネルギー効率が高く、環境負荷の軽減にも貢献します。
- 地域型住宅グリーン化事業
地域型住宅グリーン化事業は、地域ごとの特色を生かした省エネ住宅の普及を促進するための補助金制度です。地方自治体と連携して、地元で使用される材料や建材を活用し、環境に配慮した住宅を建設することで、補助金を受けることができます。建て替えを行う際、地元の特性を生かした建築が可能な場合に適用されるため、地域活性化にも貢献する制度です。
- 空き家活用促進補助金
空き家を取り壊し、新たに住宅を建てる場合、空き家活用促進補助金が活用できることがあります。この補助金は、空き家の所有者がその不動産を有効活用するための助成金で、空き家を解体して新しい住宅を建てる場合に支給されることがあります。自治体ごとに異なるため、地域の条件や支援内容を確認することが重要です。
- 住宅性能向上支援事業
住宅性能向上支援事業は、既存の住宅の性能を向上させるための改修工事に対して補助金を支給する制度ですが、建て替え時に適用できる場合もあります。これには、耐震性の向上や断熱性能の改善、バリアフリー対応などが該当し、建て替え時にこれらの性能向上を図る場合には、支援を受けることができます。
解体費用を抑えるコツ
残置物(家具・家電・日用品など)を自分で処分する
建て替え前の家に残っている家具や家電、日用品などの「残置物」は、解体工事とは別に処分費がかかるケースが多いです。解体業者にすべて処分を依頼すると、追加費用が発生してしまいます。
そのため、自分で処分することで解体費用を安く抑えることができます。
【粗大ごみ(家具・家電など)の処分方法】
- 自分でリサイクルセンターに持ち込む
- 自治体の粗大ごみ回収を利用する
【日用品や不要品の処分方法】
- メルカリやジモティーで販売・譲渡する
- 不燃ごみとして自治体に出す
なお、粗大ごみや不燃ごみの回収を自治体に依頼する際は、
「〇〇市 粗大ごみ」などで検索すると、各自治体の回収方法や料金が確認できます。
費用は数百円~数千円程度で済む場合が多く、解体業者に任せるよりもコストを大幅に抑えられます。
複数の業者から相見積りを取る
解体工事や新築工事の費用は、依頼する会社によって大きく異なります。
そのため、複数の業者から相見積りを取り、比較検討することが非常に重要です。
特に注意したいのは、紹介手数料や中間マージンが上乗せされているケースです。間に複数の業者が入ることで、本来よりも高い建て替え費用がかかってしまうこともあります。
建て替え工事の流れ|スムーズな進行のために知っておきたい6ステップ
建て替え工事は、単に「古い家を壊して新しい家を建てる」だけではありません。
解体や調査、設計、建築といった複数の工程を経て、ようやく新居が完成します。
以下に、建て替えの一般的な流れを6つのステップに分けてご紹介します。
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ステップ1
建築会社を探す:1ヶ月〜1年
家づくりの第一歩。会社選びや打ち合わせ内容によって期間は大きく変わります。複数社を比較しながら、自分たちに合った会社をじっくり選びましょう。
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ステップ2
設計プラン相談・住宅ローン申し込み:3〜4ヶ月
建築会社と契約を結び、設計プランの打ち合わせを行います。同時に住宅ローンの審査・申し込み、解体業者の選定・手配などの準備も進めます。プランの確定や融資の手続きなど、やることが多い工程です。
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ステップ3
解体工事:1〜2週間
古い建物の取り壊しを行います。近隣へのあいさつや工事申請、ガス・電気・水道などの停止手続きも含まれるため、事前の準備も大切です。
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ステップ4
地盤調査・地盤改良:2週間
建築予定地の地盤の強さを確認し、必要であれば改良工事を行います。これにより、建物の安全性と耐久性が確保されます。
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ステップ5
新築工事(基礎工事〜上棟・内装工事まで):3〜6ヶ月
建物の本体工事がスタートします。基礎、構造、屋根、内外装、設備工事などを段階的に進めていきます。建物の規模や仕様によって工期は異なります。
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ステップ6
引き渡し・登記手続き
建物が完成したら、登記や完了検査を経て正式に引き渡しとなります。引越しの準備や各種手続きも並行して進めましょう。
このように、スムーズな進行には段取りとタイミングの把握が欠かせません。
よくある質問(Q&A)
Q:建て替えとリフォーム、どっちが安い?
A:一般的にリフォームの方が費用は安くなる傾向にありますが、築年数が古く耐震性に不安がある場合や、全面的な間取り変更を希望する場合は、建て替えの方が長期的には合理的なこともあります。
Q:40坪ってどれくらいの広さ?
A:40坪=約132㎡で、4LDKの2階建て住宅が余裕をもって建てられる広さです。土地にもよりますが、駐車スペースや庭を確保することも可能です。
Q:建て替えに必要な手続きは?
A:建て替えには、解体工事の申請・建築確認申請・各種届出などが必要になります。地域によって条例が異なるため、ハウスメーカーや建築士に相談するのが安心です。
まとめ|建て替えを成功させるために、早めの準備と計画がカギ
家の建て替えは、人生の中でも大きなプロジェクトのひとつです。スムーズに進めるためには、「何を」「いつまでに」やるべきかを把握し、全体のスケジュールを見通しておくことが大切です。
また、建築費用や解体費用などのコスト面を抑える工夫も忘れずに。複数社から見積もりを取って比較したり、補助金制度を活用したりすることで、無理のない資金計画が立てやすくなります。
家づくりは、一つひとつの判断が将来の暮らしに直結する重要な選択です。焦らず、でも早めに準備を始めて、理想の住まいを着実にカタチにしていきましょう。
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