車庫・カーポートの解体費用と安く抑えるコツ!固定資産税についても解説
車庫の解体費用は種類や構造・広さなどによって大きく異なります。また、車庫は固定資産税がかかる建物であるため、解体後の固定資産税についても理解しておくことが大切です。
この記事では、車庫解体費用の相場や固定資産税との関係・補助金など解体費用を抑えるコツについて分かりやすく解説します。
1.車庫・カーポートとは?
車庫とは?
車庫は、左右と背面に壁があり、正面にはシャッターや扉が設置された頑丈な構造物です。豪雨や積雪にも耐えられる高い耐久性を備えており、車の保管はもちろん、荷物や道具の収納スペースとしても活用できます。また、「ガレージ」と呼ばれることもあります。
カーポートとは?
カーポートは、屋根と柱で構成されている車を保管するための構造物です。壁がなく、支える柱の配置は片側、両側、または後方など、タイプによって異なります。そのシンプルな設計が特徴です。
2.車庫・カーポートの解体費用
車庫と言っても、その構造や広さはさまざまです。そのため、解体費用は車庫の構造や広さによって異なります。一般的に、解体が難しい構造の車庫は費用が高くなり、逆に解体が容易な場合は費用が抑えられる傾向があります。
車庫(ガレージ)の解体費用
【木造】1.5~2万円/坪
【鉄骨造】2~3万円/坪
【RC造】6~8万円/坪
車1台分の駐車スペースは、約4.5坪が目安とされています。そのため、木造の場合、解体費用は約6.7万~9万円、鉄骨造の場合は9万~13.5万円、RC造の場合は27万~36万円が相場となります。
カーポートの解体費用
車1台分のカーポートを解体する場合、費用は約2万~8万円ほどかかります。車2台分のカーポートの場合は、約4万~16万円程度の費用が見込まれます。
3.車庫・カーポートの解体費用に影響する要因
車庫解体費用はさまざまな要素によっても左右されます。ここでは、車庫解体費用に影響する主な要素として「構造や広さ」「廃棄物の量」「アスベストの有無」について解説します。
構造
解体が容易な木造の車庫は、比較的費用を抑えやすい構造です。木造は他の構造に比べて解体が簡単で、その分費用も低く抑えられる傾向があります。
一方、鉄骨造やRC造の車庫は頑丈な作りのため、解体には手間がかかり、費用が高くなることが一般的です。特に床にコンクリートが使用されている場合、粉砕作業が大掛かりとなり、粉塵対策などが必要になるため、費用がさらに増加します。
また、カスケードガレージなどの特殊な構造や、シャッターや輪留めなどの付随する設備が多い場合も、解体費用が高くなる要因となります。さらに、車庫の広さや駐車台数も費用に影響します。広い車庫ほど解体の手間が増えるため、価格も高くなるのが一般的です。
広さ
車庫の広さによっても解体費用は異なります。1台分の駐車スペースよりも、2台や3台分の広さの方が解体の手間が増え、壁や柱の本数が増えるため、解体費用も高くなります。
アスベストの有無
建材にアスベストが含まれている場合、解体作業中の粉塵が健康に害を及ぼす恐れがあるため、別途アスベスト除去が必要となります。アスベストの処理には専門的な作業や資格が求められ、特殊な廃材処理が必要となるため、処理費用が高くなることがあります。
アスベストは2006年に全面禁止されましたが、それ以前に建築された建物にはアスベストが使用されている可能性があるため、解体前に確認が重要です。
4.車庫解体費用を安く抑えるためのポイント
解体費用を抑えるためには、どんな方法があるのでしょうか。
ここでは補助金制度や安くなるポイントについて、ご紹介していきます。
必ず相見積りを取ろう
解体業者に見積りを依頼する際は、必ず複数の業者から相見積りを取ることをおすすめします。同じ工事内容でも、業者によって解体費用が異なるためです。
この差は、業者ごとの利益率や、業者の拠点から現地までの距離、さらには他の案件の進行状況にも影響されます。例えば、他の案件で業者が忙しい場合は費用が高くなることがあり、一方で、時間に余裕がある時期には割安で依頼できることもあります。そのため、複数の業者から見積りを取り、条件を比較することで、最適な業者を選び、コストを抑えることができます。
解体時期
解体工事は年度末前の12~3月頃が繁忙期といわれています。この時期は費用が高くなるだけでなく、解体工事が増えるため、解体の見積り依頼自体が出来ないケースもあります。
解体時期に余裕があるなら、閑散期といわれる4~9月を狙うのも1つの方法です。この時期なら解体工事が少なくなるので、費用が安くなっているケースもあり、業者によっては値下げ交渉に応じてくれる可能性もあります。
ただし、梅雨時期などは天候の影響で工期が伸び追加料金が発生するケースもあるので、天候の落ち着いた時期を選ぶとより費用を抑えやすくなるでしょう。
不要な荷物を自分で撤去する
車庫内に不要な荷物がある場合、その処分を解体業者に依頼することもできますが、追加費用が発生する可能性があります。費用を抑えるためには、できるだけ自分で荷物を処分しておくことが効果的です。
不要品を自分で処分する場合は、自治体のルールに従って一般ごみや粗大ごみとして処理しましょう。また、リサイクルショップで買い取ってもらえる可能性もあるため、事前に確認してみるのも良いでしょう。
さらに、車庫の解体を自分で行うことで費用を抑えることができます。カーポートであれば、DIYに慣れている方であれば解体可能ですが、廃材の処理は専門業者に依頼する必要があります。解体作業は危険を伴うため、DIYに不安がある場合は、解体業者に依頼することをおすすめします。
補助金制度の活用
自治体によっては、解体工事に対して補助金や助成金を活用できる場合があります。特に車庫の解体についても、条件を満たす場合に補助金が支給されることがありますので、確認してみるとよいでしょう。
ただし、車庫単体で補助金を活用できるケースは少なく、一般的には家屋と一緒に車庫を解体する場合や、車庫にアスベストが含まれている場合に適用されることが多いです。
補助金の有無や条件は自治体によって異なるため、自治体のホームページや窓口で詳細を確認することをおすすめします。また、解体業者によっては補助金申請に詳しく、申請手続きをサポートしてくれる場合もあるため、相談するのも一つの方法です。
5.固定資産税と解体後に必要な手続きについて
固定資産税は土地と建物に課税されます。建物とは、「屋根と三方向以上の壁があり」「基礎があり土地に定着している」「居住や作業などの用途に使用できる」という条件を満たすものです。そのため、車庫(ガレージ)は固定資産税の対象となります。
一方、壁のないカーポートは建物の要件を満たさないため、固定資産税は課税されません。しかし、カーポートは建ぺい率に影響するため、その点については注意が必要です。
車庫解体後の固定資産税
車庫を解体すると、その車庫にかかっていた固定資産税は課税されなくなります。しかし、固定資産税の課税基準日は毎年1月1日であるため、1月2日以降に解体を行った場合、解体前の状態(車庫が存在する状態)での固定資産税が課税されることになります。
車庫解体後に必要な手続き
登記されている車庫を解体した場合、解体後に「建物滅失登記」が必要です。解体業者から「建物滅失証明書」を受け取った後、法務局で必要書類を提出し、登記手続きを行う必要があります。
一方、登記されていない車庫の場合は、自治体の役場で「家屋滅失申請」の手続きが必要です。この申請を行うことで、解体後にその車庫に対する固定資産税の課税を停止できます。車庫が登記されているかどうかは、登記簿謄本で確認できます。
申請方法や登記の有無について不明な点がある場合は、自治体の窓口や法務局、または専門家(司法書士など)に相談することをお勧めします。
6.まとめ
車庫の解体費用は、構造や広さによって異なります。カーポートの場合、車1台分の広さで2~8万円、木造のガレージは坪当たり1.5~2万円が目安です。ただし、廃材の量やアスベストの有無などによっても費用は大きく変動します。
解体費用を比較する際は、複数の業者に見積りを取り、価格だけでなく、評判や実績、資格などもチェックしましょう。車庫の解体は重要な工事ですので、信頼できる業者を選び、満足のいく解体を進めることが大切です。
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