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アスベスト大気汚染防止法改正時の解体工事の影響はどうなるか?

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大気汚染防止法の一部を改正する法律が、2020年5月29日に可決、成立しました。
全ての石綿(以下、アスベスト)含有建材への規制対象がレベル3建材にも拡大され、都道府県等への事前調査結果報告の義務付けや罰則規定が設けられることになります。2022年から施行されるため解体工事に関わる費用として避けられないものとなります。
今回は、以下の内容について詳しく解説したいと思います。

【施主側のメリット】 今回の法改正により解体工事会社の適正化が促され、特に近隣に対する影響(飛散による健康被害等)を抑制できる効果があります。 【施主側のデメリット】 事前調査や報告など、工事会社側のコストは増大するため、その分の費用が見積に転嫁されたり、これまで以上に工事会社が忙しくなることによって、見積や工事を請けにくくなる可能性があります。

アスベストとは?

天然の鉱物で、高い抗張力と柔軟性を持つ絹糸状光沢の特異な繊維状集合をなすものを総称してアスベストと呼びます。
紡織性,耐熱性等の多くの優れた特性から「奇跡の鉱物」として1950年~1980年にかけて工業製品に使用され、消費量のうち約9割が建築材料に使用されています。
しかしながら、アスベストが主に肺の疾患を引き起こすことが明らかになると、徐々に使用等についての制限が加えられ、2006年9月1日より、0.1%を超える全ての製造、輸入、譲渡、提供、使用が禁止されました。

アスベストレベル3建材とは?

飛散しにくい成形板となっている建材で、外装材や内装材に使用されています。
具体的には、屋根材に使用されるスレート(薄い長方形のもの)や、工場や倉庫の外装に使用されるスレート波板、内装の壁や天井に使用される石膏ボードや、主に水回りの床に使用されるビニル床タイル等です。
おおよそ建築時期によって、使用されている可能性があるかどうかは判断できますが、実際に使用されているかどうかは、アスベストの専門家による調査が必要になります。
(まさに解体工事会社でも判断できないケースが散見されたため、今回の改正があります。)解体工事におけるアスベスト規制の歴史と今回の改正の背景は?

解体工事におけるアスベスト規制の歴史と今回の改正の背景は?

解体工事におけるアスベスト除去の懸念が高まったのが、1995年の阪神・淡路大震災です。
被害を受けた建築物の解体に伴うアスベストの飛散が問題となり、また今後建替え等による解体工事の大幅な増加が見込まれることから、1996年5月9日に「大気汚染防止法の一部を改正する法律」が公布され、建築物の解体等に伴うアスベストの飛散防止に係る所要の措置が講じられるようになりました。
以後、社会的関心の高まりにより、徐々に規制が強化されてきています。
今回、大気汚染防止法の2013年の改正から5年が経過したため、解体工事の実態調査を行ったところ、これまでは規制の対象ではなかったレベル3建材についても見落としや取り残しによって石綿が飛散することが明らかになったため、対象範囲をレベル3建材に拡大し、規制等が強化されることになりました。

大気汚染防止法の改正の内容と施工予定時期は?

規制の対象

全てのアスベスト含有建材に拡大しました。
具体的にはレベル3が対象に追加されました。

事前調査

全てのアスベスト含有建材に拡大しました。
具体的にはレベル3が対象に追加されました。

吹付けアスベストの不適切除去に対する直接罰の創設

調査方法を法定化し、アスベスト有無に関わらず調査結果を都道府県に報告し、調査に関する記録の作成と保存が義務化されます。
こちらに関しては、アスベスト3は相対的に飛散性が低い点と行政負担を考慮し、報告の対象外となっています。

作業記録の発注者への報告義務づけと、作業記録の作成・保存義務

これにより、適切なアスベスト除去がなされたかを、過去にさかのぼって行政がチェックできる体制となります。

解体工事の具体的な今後の影響は?

施主側、解体工事会社側、双方の視点でまとめます。

施主側のメリット

今回の法改正により解体工事会社の適正化が促され、特に近隣に対する影響(飛散による健康被害等)を抑制できる効果があります。

施主側のデメリット

事前調査や報告など、工事会社側のコストは増大するため、その分の費用が見積に転嫁されたり、これまで以上に工事会社が忙しくなることによって、見積や工事を請けにくくなる可能性があります。

施主側の注意点

規制対象の拡大や作業記録の義務化がされたとはいえ、直接罰の対象は吹付けアスベストに限られるため、決まりを怠る工事会社も一定数出てくる可能性があります。
信頼のおける工事会社へ依頼するか、施主側もある程度解体の知識を持って上記が遵守されているか確認されることをおすすめします。

工事会社側のメリット

今回の法改正は、現場で働く職人さん達の疾病リスクの抑制に繋がります。
業界水準が上がることによって、中長期的には職人不足問題の改善にも寄与すると思われます。

工事会社側のデメリット

レベル3が調査対象になることによって、少なからず事務作業や現場作業の手間が増えます。
また上手く価格転嫁できない場合、昨今の産業廃棄物処理費の高騰に加え、更に利益を圧迫する可能性もあります。

工事会社側の注意点

法改正が世間に注目されることによって、施主や近隣の方からの工事やアスベストに対する関心が高まるため、正しい法律の認識と、法令順守をより一層心がける必要があります。
また、今後事前調査を行う一定の知見を有する者について、3年程度で30万人~40万人程度の育成に向け取り組むという方針もあり、直近の動きとして、社内で有資格者を保有する必要性も出てきたり、調査については外部委託先に依頼する必要性が出てくる可能性があります。

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